相手の目を見て、はウソ?



話し方についての本は数多くありますが、その半分以上に『相手の目を見て話す』と書いてあります。本当にそうでしょうか?

現在、ラジオの生番組のひとつのコーナーをまかされて、もう8年くらい続いていますから、おそらく自分は「話し上手」なのでしょう。
普段の会話とちがい、生放送というのは、言った言葉が電波に乗って何万人もの人のラジオから流れてしまうのですから、その緊張度合いと言ったら、もう。

金魚鉢(録音スタジオですね)の中には、ラジオ局のパーソナリティの方と、アシスタントの方が常にいますが、会話中、自分はめったに相手の目を見ません。
目を見るのは、アイコンタクトの時くらい。
「ここでウケてくれ」とか、そういう懇願(?)ですね。
見ているのは、スタジオ内の時計と、ガラスの外にいるディレクターの顔。
マズい発言をすると、ディレクターは渋い顔をするので、そのためです。

そもそも、本来の話し相手は、ラジオの向こうにいるので目を合わせようもないのですが。

『相手の目を見て話す』
それは話し方が上手い人だから、そう思うのであって、話下手の人にとってはそうとは限りません。
なにかを真剣に伝えるのならともかく、日常の会話なら、テキトーに目をそらすタイミングを持つほうが絶対楽。
かと言って、キョロキョロするのも、また挙動不審です。

そこで!

楽なのは、その人の目よりも上です。
もともと、人間は考える時には上を見上げるクセがあります。
「え〜〜、っと〜〜〜」とかのアクションですね。
相手は、「ああ、この人は今、会話を考えている」ということが自然に伝わりますので、その間待機します。
面接でも同様。

これが下だと、相手には「自信がない」か、他のことを考えているように映り、印象もよくありません。
想像してみてください。自分が楽しげに話しているのに、相手に下を向かれることを。

上を向くという行為は、相手にアナタが真剣に伝えたいことを考えている、というように映ります。
立派なボディランゲージ。

今よりも喫煙がポピュラーであった頃、会話におけるタバコの役割を報道した番組がありました。
1本のタバコを取り出し→火をつけて→ひと口吸うまで、1分10秒ほどの間を「不自然なことなく」とれるのだそうな。その間に次の会話を考える、といった内容でした。

が。今は喫煙自体が文字通り煙たがられます。
そこで上を向く。
とは言え、喫煙と同等の1分もの間、上を向いていたらさすがに不自然。相手は「空になにかいるのかな?」になってしまいますから、せいぜい数秒。
1、2、3で目をもどすくらいのタイミングでしょうか。
それでも、その数秒が、あなたに次の言葉を考える余裕を与えるはずです。

話す時には、口べたなかたなら、目を見るよりは口元を見るのがいいでしょう。
そのくらいの角度は誤差。

もちろん、会話の種類によってはこの限りではありません。
でも、どんな会話でも「間合い」は大事。
話し方のうまい人は、「間合い」のとりかたもうまいものです

                    14/06/04

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